ルーマニア出身の非常に厭世的な思想家にシオランと言う人が居ます。

 いつものように学生食堂の2階に出掛けて鉄板を食べようと思ったのですが、鉄板は売り切れで仕方なくグリルを食べました。鶏肉の空揚げが2個、パスタのサラダも付いていて、グリルにはご飯も下に隠れていてデミグラスソースがたっぷり掛かったジャガイモやウインナソーセージが有り満腹になりました。教職員懇談室で食べたのですが私以外には誰も客が居なくて淋しい思いをしたものでした。
 ルーマニア出身の非常に厭世的な思想家にシオランと言う人が居ます。パリに住み着いてフランス語で著作を発表していたそのシオランがフランス人について次のような意見を述べています。「トラピスト修道院が、イタリアやスペインだけでなく、フランスに生まれたのは偶然ではない。たしかに、スペイン人もイタリア人も絶え間なく良く喋る。だが彼らは、自分が喋るのを聴いていない。フランス人はどうか。彼らはおのが雄弁をゆっくり玩味し、自分がいま喋っていることを決して忘れない。その点世にも意識的な人たちなのだ。フランス人だけが、沈黙をひとつの試練、一個の苦行と考えることができたのだ。」と有り初めて読んだ時は驚いたものでした。
 5限の3年生のゼミでは最初にI君のフローベールに付いての発表が有りました。フローベールは9歳の頃すでに物語を書くことを試みており、また両親に連れられて観劇に行くと劇作家を夢見て芝居の脚本を書くなどしていたそうです。次の発表はY君のオノレ・ド・バルザックに付いてのもので芸術と人生、欲望と理性、男と女、聖と俗といった様々な二元論をもとに膨大な作品を書いたそうです。『夢十夜』の第七夜から輪読したのですが、『永日小品』の「蛇」までしか読み終わりませんでした。フェルメールの絵画を紹介するDVDを観てから、学生諸君の近況を尋ねる文章を書いてもらって年内のゼミを終わりました。