パナソニック汐留ミュージアムを訪問して「ジュルジョ・デ・キリコ変遷と回帰展」を観賞してきました。

 新橋のパナソニック汐留ミュージアムを訪問して「ジュルジョ・デ・キリコ変遷と回帰展」を観賞してきました。シニア料金の900円で入ることができました。これで二度目になるのですが飽きることは有りません。最初に眼に飛び込んでくるのは「ポール・ギョームの肖像」でデ・キリコの最初の画商でありモジリアーニを紹介したそうです。「自画像」が有り一度目は不精な性格だと感じたものの今回は精悍さが目立ちました。両手の大きいところが数多くの作品を生み出した画家の技量を伝えているものと感じました。「林檎と葡萄のある静物」は何度観ても感心します。リアルにくっきりと写実的に描かれていて生き生きと描かれているのが感じられます。ブロンズ像の「巫女たち」は謎めいた微笑みを浮かべています。何を考えているのか分からないのが皇子の由縁でしょうか。「秋」は裸の女が自分の髪を掴んでいる姿で、下の篭の中には林檎が五個ほども入っていて秋の収穫を表しているのでしょう。「水浴する女」は私も好きな作品です。赤い布の上に裸の女が身を横たえています。向こうには木立ちが見えて寒々とした風景が広がっています。デ・キリコは馬を生命力の象徴と考えていたらしく「二頭のフリギア馬」を初め六点ほどの馬を主題にした作品を描いています。中でも「エーゲ海岸の古代の馬」は手前に白い馬が居て奥には赤茶けた馬が居ます。白い馬は赤いリボンを付けていてお茶目な感じがします。「ユピテルの手と九人のミューズたち」は空間に大きな手が有り下には九人のミューズたちが並んでいます。何と言うことも無い風景なのですが生命力の充溢を私は感じたものでした。ルオー・ギャラリーでは「孤独なキリスト」、「渇きと恐れの国では」、「大海原に向かって」、飾りの花」、「秋」などを楽しんで帰路に着きました。(写真はジュルジュ・ルオーの「飾りの花」です。)