午後は国立西洋美術館を訪問してフェルディナント・ホドラー展を観賞してきました。

 午後は国立西洋美術館を訪問してフェルディナント・ホドラー展を観賞してきました。先ず最初に目に入るのは「自画像」です。端正な顔をした生真面目そうな自画像で曲がったことはやりそうに有りません。「シャダウ城とシェルツリンゲン教会、プリュームリス山」はスイスの風景で湖の上に小舟に乗った男が三人、遠くには雪を頂いた山も見えます。「レマン湖畔の柳」は小品ですが記憶に残る作品ですね。柳が弱々しそうで可愛くなります。湖に面して後ろ姿の女性が石に腰掛けて物思いに耽っているのが印象的でした。「怒れる人(自画像)」は「狂人」というタイトルのもと、パリのサロン展に出品を認められた作品で有るらしく、実際に怒っているような表情を浮かべているのが私には面白く感じられました。「オイリュトミー」には落ち葉の散った秋の道を歩く五人の年老いた男性たちが描かれていて、パネルに寄ると「死」への接近を暗示しているらしくホドラーは、人間には死が迫るからこそ私たちの生は躍動し、それぞれに異なるリズムを描くのだと考えていたそうです。そこから「オイリュトミー」が「よきリズム」、「調和あるリズム」を意味することが納得が行きました。地下のホールに降りると「変幻するアルプス」と題された展示が有り様式化された「トゥーン湖とシュットックホルン山脈」が有りアルプスの手前に広々とした湖が有り深呼吸した気分になれました。ホドラー展のチケットで常設展も観賞できるので、一四世紀シエナ派の「聖ミカエルと龍」の龍が余りに弱そうなので同情したくなりました。アドルフ・ブーグローの「少女」、ピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」、ポール・ゴオギャンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」などを楽しんで帰路に着きました。