午後は国立西洋美術館の常設展を観賞しました。

 午後は国立西洋美術館の常設展を観賞しました。先ずは会場に入るとオーギュスト・ロダンの「うずくまる女」や同じ作者の「永遠の青春」が有ります。この作品は愛し合う二人が激しい接吻をしている姿で男の逞しい肉体と女の大きな乳房が目立っています。アドリアン・イーゼンブラント(に帰属)の「王座の聖母子」は幼児を赤い布の上に抱いている聖母で顔には微笑みが浮かんでいます。カルロ・ドルチの「悲しみの聖母」は敬虔な女性がヴェールを纏って手を合わせて祈りを捧げている姿です。ウィリアム・アドルフ・ブーグローの「少女」はあどけない姿の少女でつぶらな瞳に魅せられてしまいます。合掌して祈りを捧げている姿も好ましいですね。クロード・ロランの「踊るサチュロスとニンフのいる風景」は異界を描いたもので有り得ない風景を画家の想像力が創り上げています。エル・グレコの「十字架のキリスト」は茨の冠を付けて磔刑されて目を見開いている光景で、何とも痛ましい姿でした。コルネリウス・デ・ヘームの「果物籠のある静物」は小品ながら桜ん坊の赤や葡萄の緑や紫が良く描かれていて好感が持てました。ウジェーヌ・ドラクロワの「墓に運ばれるキリスト」は暗澹とした作品です。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」は透けるような薄衣を身に纏った官能的な女の身体が描かれています。クロード・モネの「舟遊び」は素敵な絵ですね。足を伸ばしてネーデルラントの寓意版画を見てみました。16〜17世紀のヨーロッパでは、七つの惑星−土星木星、火星、金星が地球の周りを運行し森羅万象に影響を与えていると言う説が受け入れられていたそうです。(写真はコルネリウス・デ・ヘームの「果物籠のある静物」です。)