「泥棒」はごとりごとりと言う音がするのが、鼠の音だったとという落ちでした。

 「ランボー読書会」が終わってから学生食堂の2階で朝食を取ろうと思って出掛けたのですが「鉄板」は売り切れで、仕方なく1階に降りてカレーを食べました。久し振りに食べたカレーなのですが意外に美味しくて腹も脹れて満足したことでした。
 次回の「ヨーロッパの文学」ではビクトール・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を講義する予定です。下調べに稲垣直樹先生の『レ・ミゼラブルを読みなおす』(白水社)を読んだのですが、ユゴー学者のジャック・セバシェールが「放物面鏡の詩学」と言う言葉を提唱しているとのことで、光が一点に収束するように個人も世界認識の中心になることができると言う説でした。
 5限の3年生のゼミではレポートの課題を発表しました。自由にテーマを選んで2400字程度で纏めて3704準備室に提出すると言うものです。それから授業改善のためのアンケートを実施しました。いつものように夏目漱石の『文鳥夢十夜』(新潮文庫)を輪読しました。「泥棒」はごとりごとりと言う音がするのが、鼠の音だったとという落ちでした。「柿」は喜いちゃんが主人公で与吉に柿を上げようかと言うのですが与吉は下から柿を眺めながら「なんでえ、なんでえ、そんなものは要らねえや」と言うのですが強がりだったのですね。与吉は周章して、泥の着いた柿を拾った。そうして拾うや否やがぶりと横に食付いた。」と有りユーモラスな文章に仕上がっています。輪読が終わってゴーギャンの絵画を紹介するDVDを観ました。「ポン・タヴェルの家」や「雪のブルターニュ村」などの野生への憧れを秘めた絵画が続きます。いつものように学生諸君の近況を尋ねる文章を書いてもらってゼミを終えました。