3限の「ヨーロッパの文学」ではヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』に付いて講義しました。

 3限の「ヨーロッパの文学」では田村毅先生のハンドアウトを利用しまして、ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』に付いて講義しました。二〇歳の時に処女詩集『オード集』でデビューしたユゴーは、ロマン主義文学運動の中で若き頭領と仰がれるようになった。あらゆる桎梏からの芸術の解放と芸術表現の絶対的自由を主張する『東方詩集』の「序文」は、ロマン派的詩法のマニフェストであり、各詩篇はさまざまな詩型を用いて新たなリズムを創出する実験と実証の場だった。『ノートル=ダム・ド・パリ』ではグロテスクの美学を強調しておきました。ここには古典主義的な均整のとれた美しさよりは、ゴシック建築に見られるいびつで奇怪なものに秘められた想像力の横溢を賛美するユゴーの「グロテスク」の美学が象徴されている。グロテスクとは、古典悲劇が描く英雄の偉大さと崇高さに対して、民衆の滑稽で醜穢なる現実を指す理念である。ジェラール・ドパルデュージャンバルジャンを演じるビデオも観ておきました。
 4限のフランス語6ではブラッドリー・ジョン君とルール・カロリーネさんと『星の王子さま』を原文で読みました。星の王子さまは線路のポイント係と対話をするのですが、ポイント係は近代化の象徴である列車を選り分ける係なのですね。「なにをさがしているのか、こどもだけはわかっているんだ。こどもは、ぼろきれで作った人形と時間をかけて遊ぶでしょ、そうするとぬいぐるみはとても大事なものになる。で、それを取りあげられたら、こどもは泣いちゃうんだ。「こどもがうらやましいなあ」とポイント係はいった。と有り童心の大切さが語られる一章でした。