国立西洋美術館で「グエルチーノ展」と常設展を観賞してきました。

 国立西洋美術館で「グエルチーノ展」と常設展を観賞してきました。12時22分の新宿行き各駅停車で移動を開始しました。幸い座席を確保できたので、車中では山下裕二監修の『超絶技巧美術』(BTBOOKS) を読みました。東京芸術大学大学院に文化財保存学が有るのですね。私は全く知りませんでした。赤羽で乗り換えて上野で下車しました。国立西洋美術館はすぐ近くです。「グエルチーノ展」の前売り券を買っています。1100円と安いですね。パネルに寄るとグエルチーノとは「斜視の小男」と言うあだ名である。(中略)実際にはほぼ独学で絵の技術を身に付けたらしい。と有り二回目にして良く分かったことでした。先ず初めにルドヴィコ・カラッチの「聖家族と聖フランチェスコ、寄進者たち」が有り7人の人物が良く描き分けられていて感心したものでした。聖母の緑の衣装とヨセフが着ている赤いマントの対立が効果を上げています。次はグエルチーノの「祈る聖カルロ・ボッロメーオと二人の天使」が有り聖カルロ・ボッロメーオが着ている赤いマントと天使が纏ったくすんだ色の衣服が好対照を醸しています。グエルチーノの「聖カルロ・ボッロメーオの奇跡」はパネルに寄ると「生まれながらに目の見えない赤ん坊の視力を回復させたそうです。赤ん坊が目を開けたところで聖カルロ・ボッロメーオに気付いているのは下段に居る彼を指し指さす子供だけです。グエルチーノの「風景の中の白馬」は白い馬が黙々と草を食んでいる光景で生命の横溢を感じたものでした。グエルチーノの「ゲッセマネ園のキリスト」はキリストが赤いマントを纏い天使に対面しています。眠り込む弟子たちも良く描かれていて感心したものでした。グエルチーノの「聖母子と雀」は嬰児を左手で支えた雀を見つめていて、この雀もキリストの受難を象徴するとのことです。地下に降りるとグエルチーノの「聖三位一体」が有り精霊を象徴する白い鳩を中心に神とキリストが描かれていて神秘的な感じを受けました。グエルチーノの「クレオパトラ」は大きく胸をはだけたところで、毒蛇に左の乳房を噛ませようとしているところで、大いに感銘を受けたことでした。世紀末の幻想「近代フランスのリトグラフエッチング」も見ることが出来て幸せでした。(写真は私が大好きなピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」です。)