東京駅で下車してブリヂストン美術館で「ベスト・オブ・ベスト」を観賞しました。

 12時1分発快速新木場行きで移動を開始しました。幸い座席を確保できたので、先日駅前の須原屋で買い求めた菊地章太(きくち・のりたか)著『エクスタシーの神学』(ちくま新書)を読みました。「自分がなくなってしまえば、そこで自分の外にある何ものかと出会うことができる。自分を捨てることでつながる。イエールこれがエクスタシーの本質ではないか。」と有り納得が行ったものでした。東京駅で下車してブリヂストン美術館で「ベスト・オブ・ベスト」を観賞しました。ギュスターヴ・カイユボットの「ピアノを引く若い男」は私の大好きな作品で、若い男がピアノに向っているのですが、静謐な表情でピアノの音も全く聞こえないような気がします。同じ作者の「イエールの平原」は広々とした平原が広がっている光景で深く空気を吸い込んだような気分になれました。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「少女」は青い瞳で青いドレスを着ていて髪は長くまだあどけない表情をしています。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「花のついた帽子の女」は豊満な肉体を赤いドレスに隠して帽子も被って見えなくしています。パネルに寄ると後にルノワールの次男で映画監督となる、ジャンと結婚し、カトリーヌ・エスランの名で女優となったと言うことです。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」は何度見ても良いですね。幸せな空気に包まれていて、確かな微笑が、彼女の未来を祝福しているように思えます。藤島武二の「黒扇」は白いヴェールを纏った女性が右手に黒い扇を持っています。白と黒の対立が独特の雰囲気を醸していて女性の美しさを引き立てています。第九室に入るとジュルジュ・ルオーの「ピエロ」「構外のキリスト」「裁判所のキリスト」「エルサレム」などが楽しめます。私は深い精神性を感じられます。ピエロの内省するような表情にも魅惑されられたものでした。