会議が二つ待っています。10時42分の各駅停車南船橋行きで移動を開始しました。

 会議が二つ待っています。10時42分の各駅停車南船橋行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたので友人の『印象派琳派がわかれば絵画が分かる』(舵社)を読みました。「むすびに代えて」にはこんな言葉が有ります。「印象派琳派を見ると美術を見る「眼」のスタンダードが養えるよ、と言うのが、美術ソムリエを標榜する僕のおもな本旨。(中略)「最後に妻にも感謝せねばなりません。修学旅行のような強行軍のヨーロッパ美術旅行に付き合い、最初の読者となり「面白いことを書いて」と励ましてくれ、執筆中は絶妙のタイミングでお茶やお菓子を運んでくれました。感謝します。」と有りなかなかの愛妻家だと思ったことでした。電車が7分から10分ほど遅れていて南栗橋行きに乗ったのですが大学には11時25分に着き、さっそく自動販売機で冷たい水を買っておきました。学生食堂の二階で鉄板を食べたのですが豚肉のステーキでした。レタスとキューリのサラダも付いていて味噌汁やご飯も付いていて美味しかったですね。文学の第4回では『三四郎』に付いて語るつもりです。切り口を変えると『三四郎』は書斎という場所をめぐる物語とも考えられると言うことを説明するつもりです。野々宮の実験室は男性の独身者が棲息する世界ですね。女性である美禰子が自分だけの部屋を持つことに、この物語は何ら社会的な意味を付与していないことも語ろうと思っています。「自分が一番偉いと思っている女は軽蔑する所へ行かなければ独身で暮らすより方法がないんだから」と与次郎が言います。洋書を読む男たちは同時代の誰よりも強く近代読者で有ることも語ろうと思います。近代社会を生きる上で特権的なポジションを獲得するための、最も重要な技術は図書館だと言うことも解説したいと思います。北郷文化圏の男たちが醸しだす日常生活の疎さは、逆にそれゆえ「偉さ」や「尊敬」へと転化されることも語ろうと思っています。(写真はメタセコイアの新緑です。)