国立西洋美術館で「グエルチーノ展」を観賞しました。

 10時41分の南船橋行きで移動を開始しました。車中では座席を確保できたので『アラゴン、自らを語る』を読みました。親しい友人のドミニック・アルバンとアラゴンが対談している本です。この本ではアラゴンが本音で語り、その創作の秘密を公開しています。自分の言語の起源をはっきりさせて、その後の文章と比較できるようにとこんな風に固執したということだけから見ても、この二十年代の頃から、わたしはいわば「言葉屋」だったのです。」と有りました。学生食堂の二階で鉄板を食べました。メインは豚肉を炒めたもので、味噌汁、サラダ、ご飯も付いていて満腹したものでした。12時15分から「多言語交流室」でウェルカム・ランチが有りました。22名ほどの留学生が参加してくれて、大学側は18名ほどの教員が参加しました。楽しいウェルカム・ランチが13時には終わり、その足で国立西洋美術館で「グエルチーノ展」を観賞しました。「聖カタリナの神秘の結婚」はパネルに寄るとローマ皇帝の求婚を拒み、大釘を打ち付けた車輪に縛りつけられ拷問を受けますが、天からの稲妻がこれを砕いて生命を取り留めたと言うことでした。「聖カルロ・ボッロメーオのいる聖カタリナの神秘の結婚」はパネルに寄ると幼児キリストが聖女カタリナの手を取って指輪をはめる直前の光景です。地下に降りると「聖三位一体」が有り精霊を象徴する白い鳩を中心に神とキリストが対面しています。「マルシュアスの皮をはぐアポロ」は月光に照らされたアポロはマルシュアスの腹に足をかけ、まさに皮を剥ぎ始めたところです。グエルチーノのチケットで常設展も見られるので見てみました。アンドレア・デル・サルトの「聖母子」は聖母は赤い服を着ていて、幼児キリストは裸のままです。エル・グレコの「十字架のキリスト」は荒々しい筆致で十字架に付けられたキリストを描いていて、胸が痛みます。コルネリウス・デ・ヘームの「果物籠のある静物」は小品ながら私の好きな作品で、葡萄、桃、レモン、石榴などが生き生きとした筆致で描かれていて好感が持てました。