東京で下車してブリヂストン美術館を訪問して「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を観賞しました。

 午後は12時1分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでジャン・グルニエの『孤島』(竹内書店)を読みました。「ケルゲレン諸島」の冒頭にこんな言葉が有ります。「私はしきりに夢想した、ひとりで、異邦の町にやってくることを、ひとりでまったくの無一物で。私はみすぼらしく、むしろみじめにさえ暮らしたことだろう。何よりもまず私は「秘密」を守っただろう。」と有りました。東京で下車してブリヂストン美術館を訪問しました。長い行列が出来ていました。シニア料金600円を支払って会場に入ると、ギュスターヴ・カイユボットの「ピアノを弾く若い男」が有り端正な姿でピアノに向っている若い男の肖像で、ピアノの音が聞こえてくるような気もします。ピアノの表面には男が演奏する指先まで映っています。窓から射し込む光が、部屋全体に柔らかく染み渡っていました。クロード・モネの「黄昏、ヴェネツィア」は夕暮れのサン・ジュルジョ・マッジョレ教会が黄昏の中に聳え立ち、輝きを放っています。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「少女」は青いドレスを着た少女が髪を長く垂らしています。目の色も青でドレスに良く合っています。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「すわるジョルジェエット・シャルパンチィエ嬢」は4歳の少女を描いたもので髪は黒い瞳に髪は金髪で青いドレスを着て椅子に座っています。藤島武二の「黒扇」は白いヴェールを被った女が黒い扇を広げています。白と黒の対立がコントラストを描いていて、潤いを帯びた眼差しなどを藤島は巧妙に捉えています。ジュルジュ・ルオーの「ピエロ」は目を閉じて自分を見つめる内省的で静かな表情をしていて、宗教的な感覚を感じたものでした。国立西洋美術館の常設展もシニアは無料で観賞できるので見てみました。クロード・モネの「舟遊び」はパネルに寄ると舟遊びは当時人気の休日の娯楽だったそうで、二人の娘が舟遊びに興じている画面で、パネルに寄ると日本の浮世絵からヒントを得ているそうです。(写真は藤島武二の「黒扇」です。)