目黒区美術館で「新潟市美術館の名品たちピカソとクレーやって来た」を観賞しました。

 今日は会議も授業も入っていません。午後は12時1分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたので三好行雄編の『漱石書簡集』(岩波文庫)を読みました。久米正雄芥川龍之介に宛てた手紙にこんな言葉が有ります。「牛になることはどうしても必要です。われわれはとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなり切れないです。あせってはいけません。根気ずくでお出なさい。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。」と有りました。恵比寿で下車して目黒駅に向います。目黒駅西口を出ると権之助坂に差し掛かります。ここに南蛮と言う飲み屋があって従兄弟の賢ちゃんと良く飲んだものでした。目黒新橋を渡ると目黒区美術館はすぐ近くです。目黒区美術館で「新潟市美術館の名品たちピカソとクレーやって来た」を観賞しました。初めて見る展覧会なので期待が胸に踊ります。700円のチケットを買って、二階の会場に上がるとオディロン・ルドンの「黄色いケープ」が有り女の人が立っているのですが、顔は暗くて表情も分かりません、神秘的な雰囲気を醸していました。オーギュスト・ロダンの「死の顔・花子」は引き攣った表情を浮かべている花子をテラコッタの焼き物にしたもので、死に面しているのかと思ったことでした。ピエール・ボナールの「浴室の裸婦」は半身を曝したポーズを取る女性を描いたもので、顔の表情は見えなくて、誰だか分かりませんでした。パブロ・ピカソの「ギターとオレンジの果物鉢」は素朴にギターとオレンジが配置されていて、単純化された絵画でした。寺田政明の「灯の中の相談」はユーモラスな絵画で狼が二匹、面談をしています。下にはローソクが点っていて干し魚もあって笑いが込み上げてきました。笹岡了一の「サンポアンガ」は軍隊の兵士が匍匐前進をしている画面でその前に戦車が有り戦いが行なわれている画面でした。一階に降りると草間彌生の「自己消滅」が有り水玉模様の付いたサボテンやケーキ、ネズミなどがボックスの中に入れられて有りました。