3限の演劇論では「から騒ぎ」に付いて語りました。シシリア島のメシーナの総督リオナートのもとにアラゴンの領主ドン・ペドロの一行が凱旋した。一方、フローレンスの若い貴族クローディオは、リオナートの娘ヒーローに心を奪われていた。ドン・ペドロの腹ちがいの弟ドン・ジョンは、自らの憂さ晴らしにうってつけと、この結婚をぶち壊す計画を立てていた。ヒーローの寝室に入り込んで、自分が侍女マーガレットと逢い引きをしている現場を演出する。全てはハッピーエンドに終わりクローディオはヒーローと結ばれて大団円になることを説明しました。

 4限の4年生のゼミでは最初にSさんの発表が有りました。「エドワードゴーリー論」と題したもので、その内容の奇妙さと残酷さから幼い子供ではなく大人たちから人気が有る。そのこめ彼の作品は「大人の絵本」として扱われている。発表が終わって筑摩書房の『ちくま評論選』を輪読しました。國分功一郎氏の「「贅沢」のすすめ」を輪読しました。贅沢の中にこそ生活の豊かさがあるという主張でした。消費の対象が物ではなく観念や意味としての記号であり、消費とは「観念的な行為」であることも学びました。上野千鶴子さんの「記号としての身体」も読み掛けたのですが、男女差とからめて論じた文であることが分かっただけでした。学生の近況を尋ねたら「何社か落ちたり死しましたが、めげずに頑張ります。」「就活で一社から内定を貰えたので、一先ず一安心をしました。」「公務員試験の初陣が今月末に迫ってきました。毎日勉強はしていますが、周りと比べるとスタートが遅かったので不安です。」「3週間の教育実習が終わりました。実習自体は楽しかったのですが、研究授業でも成功したとは言い難く、自身を失ってしまいました。」と有りました。(写真は「から騒ぎ」の一コマです。)