Bunkamuraザ・ミュージアムで「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」を観賞しました。

 午後は12時1分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたので、コリン・ウィルソンの『賢者の石』(創元推理文庫)を読みました。その中にこんな言葉が有ります。「人間の生はちっぽけなもので、自己中心的であり、私たちの卑小さをつっぱねる宇宙の解雇通知にほかならないのだ、という認識が−−このときにも一抹、感じられた。と、同時に、またしても、あのなんとも不思議な幸福感がその中核で脈打っていた。」と有りました。渋谷で下車して、文化村に向います。Bunkamuraザ・ミュージアムで「ボッティチェリルネサンス フィレンツェの富と美」を観賞しました。これで3度目となるのですが、毎回新たな発見が有ります。先ず1500円のチケットを買って、会場に入ると、サンドロ・ボッティチェリの「ケルビムを伴う聖母子」が有り聖母が幼子イエスを抱いています。背後にはケレビム(智天使)が居て聖母とイエスを取り囲んでいます。第2章は「旅と交易拡大する世界」と題されていて、ヨーロッパ各地にフィレンツェの銀行の支店が開設され、交易が爆発した。」と有りました。航海図が置いてあり日本はふたつの大きな島から成るものと表されていました。ゴシック建築のマエストロの「港の聖母子と洗礼者ミハネ」は聖母がイエスを拝んでいて傍らには洗礼者ヨハネが居ます。遠景には港と海が広がっていて空間の広がりを感じさせられました。サンドロ・ボッティチェリの「受胎告知」は大天使ガブリエルがマリアへの受胎告知を告げています。パネルに寄ると開廊の外では穏やかな景色を背景に、大天使ラファエルが魔除けの魚を持った少年ドビアスの手を引いています。サンドロ・ボッティチェリの「開廊の聖母」は欄干の上に立つ聖母がわが子を抱きしめています。頂上部には精霊を表す鳩が描かれていて、二人が神聖な存在であることを現していました。