文学では「レトリックの周辺」と題してお話ししました。

 11時32分の各駅停車東京行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさん『屋根ひとつお茶一杯』(講談社)を読みました。私たちは考える存在である前に、「感じる」存在なのです。あなたの用途に合わせて必要な椅子は3つ。1つ目は背もたれが垂直で頑丈な椅子、デスクで仕事をするための椅子です。2つ目はもう少しやさしい、座り心地もよい肘掛け椅子で、そこでリラックスはしても完全に寝てしまうことのない椅子です。3つ目は横になれるソファ。少ないもので生きることを実践するメリットのひとつが、最高のものに投資できる点。肘掛け椅子やソファは一生ものの投資です。じっくりとていねいに選ぶことが肝心です。」と有りました。南越谷で下車して東武スカイツリーライン11時54分の南栗橋行きに乗りました。大学には12時10分に着き、2限が終わるところでした。構内の自動販売機で南アルプスの天然水を買い今日のハンドアウトを確認しておきました。ティーチング・アシスタントのS君が車でまだ時間が有ります。ジャック・プレヴェールの詩集を探しておきました。文学では「レトリックの周辺」と題してお話ししました。「古来のすぐれた表現がしばしば常識から逸脱した姿を見せたのは、多くのばあい、常識的なことばづかいでは語りえぬことがらを何とか語ってみようとする苦心の結果であっただろう………と、いま私たちは考えることが出来ると」強調しておきました。あやの分析は、期せずして「創造的認識を言語によって造形するための」あやの分析を示唆していたことになることも強調しておきました。帰路は「うらわ美術館」で「幕末明治の浮世絵展」を観賞しました。610円のチケットを買って会場に入ると歌川重宜の「江戸名所品川沖千狩之図」が有り潮干狩りを楽しんでいる女性が見えます。パネルに寄ると潮干狩りは人気のレジャーで、弁当や酒を用意して家族や近所の人たちと一所に楽しむ行事だったそうです。歌川広影の「青物魚軍勢大合戦之図」は河豚や鮪、鯱、鋒鋩、鮑、サザエ、カレイなどが描き込まれたユーモラスな作品で青物魚が互いに戦っています。歌川芳綱の「平親王将門」はパネルに寄ると幕府はそれまで人気のあった女絵、役者絵などを禁じ、勧善懲悪や教育的効果のある歴史絵や武者絵の板行を命じた。この画も幕府の方針に沿った形で描かれたもので将門の権勢を示しています。三代歌川豊国の「岩戸神楽乃起源」は天の岩戸を題材にした絵で天照大神が岩戸の中に隠れたため世の中は闇となった。小林清親の「帝国議会炎上の図」は帝国議会が炎上している画面で、漏電のためだったのですが、「電気は危ないと言う風評が広がったそうです。(写真はベアトリス・アッピアの『ひなげしのお話し』の一齣です。)