東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語」を観賞しました。

午後は12時41分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさんの『屋根ひとつお茶一杯』(講談社)を読みました。その中にこんな言葉が有ります。「誰しもいつかは死ぬということを誤魔化さずに正視し、冷静に捉えることが、人生をより充実させる道です。自分の老後を思い描き、死を意識するのは自然なことです。死を正視することにより、残された人生をしっかりと濃密に生きられるようになるのです。」と有りました。渋谷で下車して文化村に向います。Bunkamuraザ・ミュージアムで「ボッティチェリルネサンス フィレンツェの富と美」を観賞しました。会場に入るとサンドロ・ボッティチェリの「ケルビムを伴う聖母子」が有り右手をあげて祝福のポーズをとる幼子イエスと聖母が黄金の光に包まれてケルビムに取り囲まれている。聖母は赤い服を着て、黒いマントに覆われています。フランシスコ・ボッティチーニの「大天使とトビアス」はパネルに寄ると旅に出た息子トビアスの無事を祈る両親の願いを聞き入れ、大天使ラファエルが旅に同行したという旧約聖書外典「トビト記」の記述に基づく図像で下の方に居る一人の人物が大天使ラファエルを拝んでいます。サンドロ・ボッティチェリ(帰属)の「聖母子と二人天使」は聖母が幼子を抱いている構図で二人の天使が傍らに居て二人を見守っています。サノービ・ストロッツィの「受胎告知」は大天使と鳩の姿をした生霊によってマリアに神聖なお告げがなされた瞬間を表していて、大天使とマリアは金色の後光が付いています。帰路は新宿で下車して東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で「ユトリロとヴァラドン 母と子の物語」を観賞しました。42階の会場に入るとモーリス・ユトリロの「大聖堂・ランス(マルヌ県)」が有り重厚な教会が建っていて、ユトリロが敬愛したジャンヌ・ダルクと関係が深いそうで、歴史の厚みを感じたものでした。スュザンヌ・バラドンの「画家の母」はヴァラドンの母を描いたものでしょうか、顔には皺が寄って黒い襟巻きを巻いて厚手のスカートを履いています。モーリス・ユトリロの「コルト通り、モンマルトル」は白い塔が見えている教会だそうで、4人ほどの人々がその下を歩いて行きます。シュザンヌ・バラドンの「花瓶の中のリラの花束」はリラの花がゴージャスな感じを与えてくれます。花瓶も重厚な雰囲気を醸しています。収蔵品コーナーではピエール=オーギュスト・ルノワールの「帽子の娘」は帽子を被った娘の肖像で柔らかなタッチで娘を描いています。女性を美しく描くルノワールの才能が良く表れていました。同じ作者の「浴女」は裸の女の肖像で背景には青い空が見え岩に腰掛けていました。ポール・セザンヌの「りんごとナプキンフィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」などを楽しんで美術館を後にしました。(写真はシュザンヌ・バラドンの「花瓶の中のリラの花束」です。)