東京都美術館で「伝説の洋画家たち」を観賞しました。

 午後は13時21分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさんの『「限りなく少なく」豊かに生きる』(講談社)を読みました。その中にこんな言葉が有ります。「以前、京都の禅寺で、僧侶たちが仕事にいそしんでいる様子をずっと眺めていたことがあります。彼らは実に甲斐甲斐しく動き回り、その表情からは喜びが読み取れました。作業のひとつひとつの動きには無駄がなく、まるで一種の儀式のようです。僧侶たちの所持品は寝具ぐらいで、一日の時間配分、使う道具の数なども必要最小限だと聞いています。このように見た目は極めて質素な生活ぶりですが、少しも貧しさを感じられなかったのはなぜでょう。」と有りました。赤羽で下車して13時37分の快速大船行きに乗り上野で下車して東京都美術館で「伝説の洋画家たち」を観賞しました。シニア料金の1000円を支払って会場に入ると柳敬助の「白シャツの男」が有り、白シャツに赤い蝶ネクタイを付けたハイカラな青年は、パネルに寄ると、陶芸家の豊本健吉だと説明されていて、なかなかハンサムな顔立ちの好青年で感心したものでした。有島生馬の「鬼」は毛皮を纏った大きな耳の鬼が描かれていて人間のように見えるところが可笑しかったですね。十亀広太郎の「顔」は赤、黄、紫、緑の鮮烈な原色を用い自身の姿を真正面から捉えたもので強烈な印象を受けたものでした。村山槐多の「庭園の少女」は木々に囲まれて静かに佇む少女の姿にひっそりとした感情を受けたものでした。中川一政の「春光」は春まだ浅い日の光景で、木々にはまだ芽吹きが見られず、残念な思いが残りました。正宗得三郎の「トックの女」は白や黒の毛皮で作った頭巾のような帽子で覆った女の姿で、「トック」が良く似合っていました。関根正二の「姉弟」は姉が弟をおんぶしてしている構図で回りにはひまわりの花が咲いていて二人を祝福しているように感じました。小出楢重の「帽子をかぶった自画像」は白い夏服を着た男性の姿で光と影のコントラストが有り美しい自画像だと思ったことでした。桂ゆきの「土」はコラージュの作品で魚の頭、兎、カボチャ、リンゴなどが描き込まれていてユーモラスな作品でした。国立西洋美術館の常設展もシニアは無料で見られるので見てみましたベーテル・パウルルーベンスの「豊穣」ピエール=オーギュスト・ルノワールアルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」やカミーユピサロの立ち話」などを楽しんで国立西洋美術館の常設展を後にしました。