東京芸術大学美術館で「ヘレン・シャッフルベック魂のまなざし」を観賞しました。

11時41分の快速新木場行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさんの『屋根一つお茶一杯』(講談社)を読みました。その中にこんな言葉が有ります。「以前、私の友人のインド人女性が「女性にとって家は、少なくとも夫と同じぐらい重要なもの」と言っていたのを覚えています。その頃私は家にこだわりがなく、彼女の発言に驚きを感じました。今になってみると、彼女が言わんとしていた人間の幸福には最低限の保証が必要だという考えは正しいと言えます。自分の家のオーナーになることは、それがたとえささやかなワンルームであっても、正当な願いなのです。扉を鍵で閉め、冬には暖房がある。これは人間が望む本質ではないでしょうか?」と有りました。赤羽で下車して11時57分の快速大船行きに乗り上野を目指します。上野で下車して東京芸術大学美術館で「ヘレン・シャッフルベック魂のまなざし」を観賞しました。「静物」が有り頭蓋骨が置いてありその影のようなものも見えます。パネルに寄ると本展の最後に見る骸骨のような自画像を予見させるものとなっています。と有りました。「リゴレット」は赤いタイツと赤いシャツを着た姿で赤い帽子も被っていて全身赤づくめの男の肖像で髭を生やしていてなかなか男前です。「妹に食事を与える少年」は少年が妹に食事を与える画面で優しい眼差しで描かれていました。「日本の花瓶に入ったスミレ」は可憐なスミレが花瓶に生けてあり後ろには団扇が有りスミレを引き立てていました。「回復期」はパネルに寄るとイギリス、コーンウェル地方のセント・アイビスの少女をモデルに描かれました。イギリス画家からの婚約破棄という悲劇的な出来事から立ち直りつつある自分を、病み上がりの少女に託した精神的な自画像と考えられています。と有りました。「二人の横顔(手前はマリアンネ・プライドスベルガー)」は二人ともハンサムな少年で整った顔立ちをしています。「岸壁に落ちる影(緑のベンチ)」は岸壁の傍らに緑のベンチが置いてあって両脇に木立ちが見え立っています。三階から地下二階に降りると「うらめしや冥途のみやげ」を観賞しました。三遊亭圓朝が集めたコレクションです。「燭台と幽霊」は燭台の後ろに幽霊が居て恐ろしい顔をしています。「雪女図」は影が薄い女の幽霊で下には南天の赤い実が見えています。「枕元の幽霊」は歪んだ顔の幽霊で枕元に居て両手を組み合わせています。「四谷怪談」の仮面はパネルに寄ると二代目柳亭左龍が上演時に使用した仮面でガラスの目玉が左右に目玉が左右に動くちりめん細工の張り子仕立てで、顔半分が腫れ上がったお岩と、額の割れた醜女の二種類が残ると有りました。国立西洋美術館の常設展の常設展も今日は無料日だと言うことで見てみました。オーギュスト・ロダンの「説教する洗礼者ヨハネ」が有り、二階に上がるとロレンツォ・レオンブルーノ・ダ・マントヴァの「キリスト降誕」ディルク・バウツ派の「二連祭壇画「悲しみの聖母」「荊冠のキリスト」、ベーテル・パウルルーベンスの「豊穣」同じ作者の「眠る二人の子供」などを楽しんで国立西洋美術館の常設展を後にしました。