三四郎の帽子を一緒に探してみよう。

takuzemi2007-06-15

以前、このブログで紹介した千種キムラ・スティーブンさんの『三四郎』論の中には、主人公の三四郎が自分の帽子に対して滑稽なまでにこだわりを抱いている点が指摘されていました。その事実を確認するためには、テクストに当たってみるのが一番早道でしょう。「一冊丸ごと読み直すなんて面倒だよ」などと言っている人はいませんか? ここはコンピュータの検索機能を使うのです。先ずは「青空文庫」で『三四郎』のテクストファイルをダウンロードしてください。次にWzや秀丸などのエディターで、そのファイルを開いてください。それから、「帽子」なり(「夏帽」や「角帽」も出てくる可能性もあるので)「帽」なりで検索してみてください。次の検索部分を表示するには、Wzなら「Ctrl」+「Shift」+「Y」で出ます。こうして調べてみると、やはり三四郎は自分の帽子を並々ならぬステイタスのシンボルとして、自尊心の水源として見なしている様子が読み取れます。「美禰子」やら「野々宮」やら「与次郎」やらでも検索してみると色々と遊んで過ごせますよ。