授業では「学生による授業評価」を実施しました。

午前中は漱石の『坑夫』を読んだり、小森陽一氏の『出来事としての読むこと』を読んだりして過ごしました。『坑夫』という小説は不思議な作品です。まともな小説であることを拒否しているような印象を受けます。小森氏の著作も全編が『坑夫』論となっているのですが、なかなかスリリングで楽しめます。平行して読んでいます。
午後はフランス語の授業です。今日の臨床心理のクラスでは来週の読みのテストに向けて、課題の場所を復習しました。それから練習問題を解きました。練習問題の最後の部分は小テストとして紙を配布して学生諸君に考えてもらいました。最後に授業アンケート(学生による授業評価)を実施しました。教員にとっては身の引き締まる厳粛な瞬間です。
午後の5限の3年ゼミは発表予定の諸君がライブのコンサートに演奏に出掛けてしまったため、今日は配布資料を輪読しました。酒井英行氏の論文「広田先生の夢−『三四郎』から『それから』へ−」です。先行研究の中にある三四郎と美禰子の間に恋愛が存在したという解釈を批判して、美禰子が愛していたのは野々宮だ、美禰子は三四郎を愛してはいなかったと結論付けます。テキストの細部を良く読み込んだ面白い立論で説得力があります。ゼミでも授業評価のアンケートを実施しました。