懐かしいRadioscopieのカセットがいくつも出てきました。

 会議を待つ空き時間には研究室で河村民部氏の『漱石比較文学的に読む』(近代文芸社)を拾い読みしました。冒頭の1章は「漱石虞美人草』に於けるイメジャリーの世界」と題されています。『虞美人草』の主人公・藤尾がクレオパトラに重ねられ、紫色の衣装を着せられていることは誰でも知っています。また藤尾は「娘道成寺」のイメージと重ねられて「蛇」のイメージを付与されることも良く知られた事実です。この辺りの情報を手堅くまとめてある河村氏の評論には好感が持てました。
 空き時間に木曜日の「ヨーロッパの文学」のハンドアウトを点検しました。バルザックの『ゴリオ爺さん』を紹介するものです。膨大な作品群を書き上げたバルザックですが、登場人物の再登場という手法を使ったのが特徴的です。悪役のヴォートランなども再登場しますね。大漫画家の手�勵治虫先生の登場人物の再登場の手法と比べてみたら面白いかも知れません。『ゴリオ爺さん』のDVDは手元に持っているので、当日は時間が許す限りたっぷりと観てみようと思っています。有名な歌手のシャルル・アズナブールが老いたゴリオの役を熱演している作品です。
 研究室の本棚を物色していたら懐かしいRadioscopieのカセットがいくつも出てきました。歌手のブラッサンスや作家のジョセフ・ケッセル、哲学者のブルナール・アンリ・レヴィ同じく作家で哲学者のシモーヌ・ド・ボーボワールなどです。中でもベルナール・アンリ・レヴィの早口には以前Radioscopieを良く聴いていた頃にも閉口した記憶があります。