東京都美術館で「新印象派展 光と色のドラマ」を観賞しました。

 12時21分の快速新木場行きで移動を開始しました。幸い座席を確保できたので、愛読書のジャン・グルニエの『孤島』(竹内書店)を読みました。アルベール・カミュの序文には「アルジェで、はじめてこの本を読んだとき、私は二十歳だった。(中略)「私たちにはもっとうまみのある師が必要だった。(中略)「動物は享楽し、そして死ぬ。人間は驚嘆し、そして死ぬが、一体どこに港が有るのか?」と有り港が象徴する安楽の地を求めたジャン・グルニエのことが思われます。赤羽で乗り換えて12時37分の快速大船行きに乗りました、上野で下車して、30分余りの時間で上野に着くことが出来るので近場だと言えるでしょう。公園口を出ると東京都美術館はすぐ近くでです。東京都美術館で「真印象派展 光と色のドラマ」を観賞しました。65歳以上は1000円で入れるので大分得をした気分になりました。会場に入るとクロード・モネの「税官吏の小屋、荒れた海」が有り荒れた海に面して税官吏の小屋が有る風景でパネルに寄るとモネはこの崖の上の小屋を気に入り、構図を変えて繰り返して描いた。と有り、余程気に入ったのだと思いました。クロード・モネの「アヴァルの門」は奇岩の多い土地で門のような形の岩が並んでいる光景を写したもので忠実に再現されていました。クロード・モネの「アンティーブ岬」は海辺に面した土の上に一本の松が見えて遠景には山並みが続いています。深く空気を吸い込んだような爽やかさを感じました。カミーユピサロの「暖をとる農婦」は日常の一齣を定着していて好感が持てました。火の前にうずくまっている農婦の傍らには一匹の犬が居て犬も温かいのだと思いました。カミーユピサロの「エラニーの農園」は緑に被われた農園が見渡せて遠くには家々が見え一人の農婦が仕事をしています。ジュルジュ・スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は習作が四枚も有り、長い修練が必要だったことを思って苦労が忍ばれました。一階に上がると点描の作品が増えてルイ・アルエの「オワーズ河の岸辺、ポントワーズにて」は淡い彩りに染まったポントワーズ河が流れていて遠くには家が数軒有り、その背景には森が見えて、広々とした空間の広がりを感じました。マクシミリアン・リュスの「シャルルロワの工場」は赤煉瓦の塔が並んでいる工場で、赤い蒸気を吹き出しています。中庭には作業員が大勢居て仕事をしています。国立西洋美術館の常設展も覗いてみたのですが、一階に降りるとウイリアム・アドルフ・ブーグローの「少女」が健在でほっとしたものでした。ポール・ゴーガンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」も健在でピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」やカミーユピサロの『立ち話』などを楽しんで、帰路に着きました。