私が小学生だった頃には茶摘み休暇なるものがありました。

takuzemi2013-05-11

 私が小学生だった頃には茶摘み休暇なるものがありました。5月初旬の3日間か4日間の間、小学校がお休みとなり、近くのお茶を栽培している農家に小学生たちがお茶を摘みに出掛けるのですね。私は狭山市の田中という地区に住んでいました。茶摘みに出掛けたのは東隣りの沢という地区でした。同級生だったヨコタ君の家は大きなお茶を栽培している農家でした。この農家で数日間働いて茶を摘み取るのですね。昼休みには塩で味付けしただけの海苔も巻いていないお結びが2個出されたのを覚えています。沢庵漬けの山盛りになったお皿も並べられていました。それからお茶が出されたのは勿論です。
 ヨコタ君の家にはジャガイモやサツマイモを保存するための防空壕のような長い長い横穴がありました。茶摘みの時にはこんな横穴に入って遊ぶわけには行きません。私たち小学生が集まって横穴探検に熱中したのは週末の休日の時でした。ヨコタ君を先頭にめいめい懐中電灯を手にして横穴に入ると気味の悪い虫たちがうようよと集まっているのですね。イドギッツと呼ばれる横穴に住み着いている虫たちです。この虫に首筋などに止まられたらとても溜まりません。けれども幼い頃の私たちは横穴の暗闇の中で恐怖心をスリルへと変える遊びを楽しんでいたのかも知れません。長い長い横穴から出て見上げる青空が妙に眩しかったのも遠い昔のことですが良く覚えているのです。