K先生の口癖は「山本君、勉強しているかい?」と言うものでした。

 八王子駅の駅ビル「セレオ」で色々なお店を物色して回りました。家人は毎日のように夕方には近くの水泳教室に通っています。今日はスポーツ用品のお店が駅ビルの中にあったのですが、残念ながら山岳用品が中心のお店で水着は見つからず断念せざるを得ませんでした。スポーツ用品の店の向こうに有隣堂書店を見つけたので入ってみました。この店のキャッチフレーズは「本は心の旅路」と言うんです。ちょっと良いねと思いますね。朝日新聞の朝刊で見掛けた伊集院静著『ノボさん 小説正岡子規夏目漱石』(講談社)を購入しておきました。八王子から西国分寺に出て、武蔵野線に乗り換えて帰宅しました。以前、高尾の拓殖大学に通っていた頃は西国分寺まで帰り着くと息も絶え絶えという感じでした。とりわけサッカーを専門にして体育推薦で拓大に入ってきた学生諸君のクラスを1限から担当させられた時には困りましたね。何しろ朝の練習が終わったばかりで、クラスの中の半数の学生諸君は居眠りしているというのが実態でした。拓大と言えば膵臓ガンで数年前に亡くなったU先生にも大変にお世話になったことを思い出します。また、同じ非常勤仲間だったヘーゲルを専門としていた変わり者のK先生のことなども良く思い出します。K先生の口癖は「山本君、勉強しているかい?」と言うもので、教職員食堂で顔を合わせるたびに「勉強していフランスにるかい?」と繰り返されるのにはかなり参ったものでした。ロシアから亡命してフランスに帰化したコージエフの分厚いヘーゲル論を出版なさったK先生ですが、その後は年賀状のやり取りも途絶えて消息が分かりません。時々、K先生がどうしているだろうかと思い出しては気に掛かっています。